【ギタリストのための音楽理論/スケール編1】
ギターを弾き始めて少し経つと、
「スケール」という言葉に出会うと思います。
特に、ギターソロやメロディーを弾こうと思ったときにいろいろ調べてみると
「曲のKeyに合わせたスケールを使うべし!」と、
教則本やネットなんかに記載されている事が多いですね。
しかし、「スケールの意味が分からない」という人もいるでしょう。
そこで今回は、ギター初心者でも簡単に理解できるように
「スケールの意味」を説明します。
スケールの意味(動画解説)
そもそも、スケールとは何なのか?
「スケール(Scale)」という言葉は英語で、日本語の意味は「音階」になります。
簡単に言うと、小学校の時に習った
「ド-レ-ミ-ファ-ソ-ラ-シ-ド」ね。
これを英語で表記すると
「C-D-E-F-G-A-B-C」となります。
ここまでは、簡単でしょ?
それで、
「ド-レ-ミ-ファ-ソ-ラ-シ-ド」は、
日本語で「ハ長調」と言います。
ハ長調とは、何ぞや?
教則本なんかでは、
「#」や「♭」が無い音階と書いてありますね。
正解です。
でも、もっと分かりやすく説明すると、
昔の日本人は、
「ド-レ-ミ-ファ-ソ-ラ-シ-ド」を
「ハ-ニ-ホ-ヘ-ト-イ-ロ-ハ」と
呼んでいました。
「ハ」からはじまっているでしょ?
これが、「ハ長調」の「ハ」の意味ね。
ちなみに、「ド-レ-ミ-ファ-ソ-ラ-シ-ド」は、イタリア語風の呼び方。
だったら、なぜ「ド長調」と呼ばないのか?
う~ん、不思議ですが、、分かりません。
たぶん、昔の文部省が、1度作った教科書を変更するのが面倒だったのかな(笑)
「長調」と「メジャースケール」の意味
「ド-レ-ミ-ファ-ソ-ラ-シ-ド」の「音と音の間の長さ(音の配列)」は
になります。
ちなみに、
「全音」というのは、ギターに置き換えると「2フレット分」
「半音」というのは、ギターに置き換えると「1フレット分」
気になる人は、実際にギターで「ドレミ・・・」を弾いてみると分かりやすいですよ。
↓これね。
話を戻すと、
という音階(音の配列)を、音楽理論的に「長調」と呼ぶのです。
だから、「ハ」と「長調」を合わせて、「ハ長調」!
そして、「長調」を英語にすると、
になる。
「C-D-E-F-G-A-B-C」は、「C」からはじまっているから
「C」と「メジャースケール」を合わせて、
「Cメジャースケール(C Major Scale)」
ついでに説明すると、音楽理論書には、
「1度、2度、3度・・・」と表記されていることもあるでしょ?
これは、Cメジャースケールの場合、
「C-D-E-F-G-A-B-C」という、音階(音の配列)になるので、
これに数字で順番をつけると
「C(1番目)」
「D(2番目)」
「E(3番目)」
「F(4番目)」
「G(5番目)」
「A(6番目)」
「B(7番目)」
「C(8番目)」
になる。
これを少し分かりやすく
「C(1度)-D(2度)-E(3度)-F(4度)-G(5度)-A(6度)-B(7度)-C(8度)」
と表記することにした訳です。
なので、
「Cメジャースケールの3度の音は?」
→答え「E」
「Cメジャースケールの5度の音は?」
→答え「G」
になります。
ちなみに、「1度」と「8度」は、両方とも「C」ね。
「8度」の方が、1オクターブ上っていうだけ。
『なんだよ、「ド」とか「ハ」とか「C」とか「1度」とか同じ音なのに、
なんでこんなに表記の仕方があるんだよ!』
と思うかもしれませんが、、、
これを、絵を描くときの「絵の具」に例えると、
『「青色」と「空色」と「ブルー」が、
若干ニュアンスの違いがあるけど
みんな同じような「青い色」を意味する』
というような感じに似てるかな。
(分かりずらいか・・・)
ギター初心者には、少しややこしく感じるかもしれませんが、
昔々に頭の良い音楽家が「これが一番分かりやすい!」と閃いて
「スケール」を、こういう風に表記するようになったのでしょう。たぶんね(笑)
なので、最初はそんなに深く考えず
「スケールって、そういうもんだ」くらいな感じで
自分で分かりやすいように覚えれば良いと思いますよ。
『Cメジャースケール』を、
「C-D-E-F-G-A-B-C」って英語で覚えてもいいし、
「ド-レ-ミ-ファ-ソ-ラ-シ-ド」って覚えてもいいし、
「ハ-ニ-ホ-ヘ-ト-イ-ロ-ハ」って古風に覚えても全然問題なし(笑)
ただ、ロックやブルースやジャズをやっている人は
「C-D-E-F-G-A-B-C」って覚えている人が圧倒的に多いので、
「ハ-ニ-ホ-ヘ-ト-イ-ロ-ハ」で覚えた場合、バンドを組んだ時に
『そこは「ハ」の音じゃなくて、「ホ」の音でしょ?』
と言っても、
『なんだよ「ホ」の音って。え?3番目の音、、あ~「E」かよ・・・』
という風に、相手に通じにくいので会話が大変かもね(笑)
スケールのまとめ
ここまでをまとめると、
ド-レ-ミ-ファ-ソ-ラ-シ-ド(ハ長調)
→小学校で習う。
ハ-ニ-ホ-ヘ-ト-イ-ロ-ハ(ハ長調)
→昔の日本人が呼んでた。
C-D-E-F-G-A-B-C(Cメジャースケール/C Major Scale)
→英語だとこれ。
(全音)-(全音)-(半音)-(全音)-(全音)-(全音)-(半音)
→音の配列
C-(全音)-D-(全音)-E-(半音)-F-(全音)-G-(全音)-A-(全音)-B-(半音)-C
→音の配列
C(1度)-D(2度)-E(3度)-F(4度)-G(5度)-A(6度)-B(7度)-C(8度)
→数字の順番。
C-(2f)-D-(2f)-E-(1f)-F-(2f)-G-(2f)-A-(2f)-B-(1f)-C
→ギター(f=フレットの意味)
↑これらは、ほぼ全部同じ意味ね。
そんなに、難しくないでしょ?
そうそう、なんで日本のギター教則本では、
「音階」ではなく「スケール」と表記されているのかというと、
ここからは勝手な憶測ですが、、、、
======================
昔々、「ロック」「ブルース」「ジャズ」などの音楽は、
そもそもアメリカやイギリスから海を渡って日本に入ってきました。
なので、最初に日本でギターを弾いた人が、、、
「ロックって、最高にカッコいいよな~!」
「特に、ギターソロをギュインギュイン弾いてる姿はしびれるぜ!」
「そういえば、このギターソロって、ハ長調で弾いているんだよな」
「ハ長調?」
「ロック弾いているのに、『ハ長調』って呼び方は、ちょっとダサいよな…」
「え~っと、ハ長調は英語で… 辞書で調べると…『Cメジャースケール』って言うのか」
「Cメジャースケールって、カッコいい響きじゃね?」
翌日…。
ギタリスト:「この曲は、ロックだぜ。超カッコいいから聴いてみろよ」
友人:「ああ、その曲知ってる。洋楽って、最近流行っているよね」
ギタリスト:「特に、ここのギターソロが最高にしびれるよな」
友人:「いいよね~。しかし、どうやって弾いているんだろうね?」
ギタリスト:「ああ、このギターソロね。Cメジャースケールを使って弾いてんだよ」
友人:「Cメジャースケールって何?」
ギタリスト:「そんな事も知らないのかよ。Cメジャースケールっていうのはだね・・・」
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という会話があったかどうかは定かではないですが、
こんな感じで、日本のギタリスト達は、
英語の「メジャースケール」っていう言葉を、
「長調」よりも好んで使うようになったとな。
めでたし、めでたし(笑)
ちなみに、↓がギターの指板上にある「Cメジャースケール」です。
次回、第2話【双子の兄弟現る!マイナースケールの謎】へ、つづく。
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