ギタリストのための音楽理論/スケール編2
「スケールの意味」は、なんとなく分かりましたか?
今回は、第2話【双子の兄弟現る!マイナースケールの謎!】(笑)
まずは、「メジャースケール」と「マイナースケール」の説明ね。
※動画で説明を視聴したい方は、↓をどうぞ。
メジャースケール
前回説明したように、
「メジャースケール」=「長調」
「Cメジャースケール」=「ハ長調」
そして、「音の配列」は、
「C-(全音)-D-(全音)-E-(半音)-F-(全音)-G-(全音)-A-(全音)-B-(半音)-C」
マイナースケール
ここで、「Cメジャースケール」の「音の配列」を少し変えて、「A」から並べてみようかな。
そうすると、
「A-(全音)-B-(半音)-C-(全音)-D-(全音)-E-(半音)-F-(全音)-G-(全音)-A」
になる。
この「(全音)-(半音)-(全音)-(全音)-(半音)-(全音)-(全音)」
という音階(音の配列)を、カッコ良く英語で音楽理論ぽく言うと、
「マイナースケール(Minor Scale)」と呼ぶのです。
ちなみに、日本語だと「短調」ね。
「マイナースケール」=「短調」
ここで前回の話を少し思い出してみよう!
・「C-D-E-F-G-A-B-C」(Cメジャースケール)
・「ハ-ニ-ホ-ヘ-ト-イ-ロ-ハ」(ハ長調)
・「ド-レ-ミ-ファ-ソ-ラ-シ-ド」(ハ長調)
↑これらは全て同じ意味。
ということで、
・「A-B-C-D-E-F-G-A」
→「A」からはじまっているので「Aマイナースケール」
・「イ- ロ – ハ – ニ – ホ – ヘ – ト – イ」
→「イ」からはじまっているので「イ単調」
・「ラ – シ -ド – レ – ミ – ファ – ソ – ラ」
→「イ単調」
「A-(全音)-B-(半音)-C-(全音)-D-(全音)-E-(半音)-F-(全音)-G-(全音)-A」
→音の配列
「A-(2f)-B-(1f)-C-(2f)-D-(2f)-E-(1f)-F-(2f)-G-(1f)-A」
→ギター
(f=フレットの意味)
これ↓
↑これらは全て同じ意味です。
ここまでは分かった?
まあ、とりあえずここまでが、「メジャースケール」と「マイナースケール」の基本編というか、
音楽理論書によく載っていること。
ギターソロで役立つ知識
さて、ここからが実際に「ギターでソロを弾きたい時に役立つ知識」。
「Cメジャースケール」は、
「C-D-E-F-G-A-B-C」でしょ。
「Aマイナースケール」は、
「A-B-C-D-E-F-G-A」でしょ。
この2つを見比べてみると、、、
う~ん?並んでいる順番が違うだけじゃね?
【Cメジャースケール】
【Aマイナースケール】
そうです、正解です!
「音」だけをみると、
「Cメジャースケール」と「Aマイナースケール」は
完全に同じです。
イメージは、双子の兄弟みたいな感じかな。
それじゃ、何が違うのか?
正解は、「音が並ぶ順番(音の配列)」が違うだけ。
こういうこと↓
・Cメジャースケール
「C-(全音)-D-(全音)-E-(半音)-F-(全音)-G-(全音)-A-(全音)-B-(半音)-C」
全音-全音-半音・・・っていう順番。
・Aマイナースケール
「A-(全音)-B-(半音)-C-(全音)-D-(全音)-E-(半音)-F-(全音)-G-(全音)-A」
全音-半音-全音・・・っていう順番。
たった、そんな微妙な違いで何が変わるのか?
なんでわざわざ「Cメジャースケール」と「Aマイナースケール」って呼び方を変えるのか?
ほんと、そうだよね~。
それじゃ、分かりやすく【例え話】で説明してみよう(笑)
スケールが理解できる例え話
【例え話 その①】
昔々あるところに、双子の兄弟が住んでいました。
兄の名前が「マイケルくん」で、弟の名前が「モイケルくん」。
顔も体型も瓜二つで、近所の人は、どっちが兄か弟か、さっぱり区別がつきません。
でも、「マイケルくん」は明るい性格で、「モイケルくん」は暗い性格。
まったく同じ「顔」や「体型」だけど、話してみるとどっちが「兄」か「弟」か、分かったとさ。
【例え話 その②】
外に出て空を見上げると、「空の色」が何色に見える?
晴れた昼間に「空」を見上げると「青く」見えるけど、
夜に「空」を見上げると「黒というか、暗い紺色」に見えない?
見上げているのは、まったく同じ「空」なのに時間帯が変わると
「空の色」が違うのって、よく考えてみると不思議だよね。
【例え話 その③】
天気の良い昼下がり、マイケルくんが木陰でニコニコしながら
||C /Am |Dm /G ||
というコード進行を、ひたすら繰り返し弾いていました♪
あなたはランチを食べ過ぎたので、食後の散歩をしていると
マイケルくんが「一緒にジャムって遊ぼうよ」
と声をかけてきました。
そこで、あなたは「Cメジャースケール」を使ってギターソロを弾くと、
明るい雰囲気のソロになり、
ふたりでニコニコしながら楽しい時間を過ごしました。
一方、その夜、、、
モイケルくんは悩みごとが多くて、なかなか寝むれず
夜空の下、公園のベンチに座って
||Am /F |C /G ||
というコード進行を、ひたすら繰り返し弾いていました。
そこに通りかかった、あなたは
暗く、悲しそうなモイケルくんが心配になりました。
励まそうと、隣に座り、
「Aマイナースケール」を使ってギターソロを弾いたのですが、
暗い雰囲気のソロになってしまい
ふたりとも悲しくなって、朝までシクシク泣いてしまったとさ。
この例え話で、分かったかな?(苦笑)
要するに、
まったく「同じ空、人、音」だとしても、
見方や使い方を変えると(コード進行を変えると)、
「違う空、人、音」に感じる訳ですよ。
「Cメジャースケール」と「Aマイナースケール」の関係
「Cメジャースケール」と「Aマイナースケール」は、
音の並び順(配列)が「C-D-E-F-G-A-B-C」か「A-B-C-D-E-F-G-A」の違いだけ。
まったく同じ「音」なんだけど、コード進行に合わせて使うことにより
ギターソロの雰囲気が「明るいイメージ」になったり「暗いイメージ」になったり
変化するのです。
不思議なもんだね。
そりゃ、教則本とかには、
「コード進行によって使い方が変わる」とか
「メジャーとマイナーのスケールの特性が・・・」とか
いろいろ難しい言葉で書かれていることがあると思いますが、
つまるところ、全て同じようなことを意味しているのよ。
個人的な意見としては、
「Cメジャースケール」と「Aマイナースケール」は、
「明るいイメージ」と「暗いイメージ」の双子のスケールで、
ギターソロを弾く時は、
「音の色彩感」というか「音の雰囲気」が変わる!
くらいな感じで覚えておけば、最初は良いと思うよ。
ぶっちゃけた話、
いろんなタイプの曲をたくさん弾いたり、
いろんなタイプのソロを弾いたり、
ギターでいろんな経験をしないと、
各スケールの本当の違いは分からないような気がするな。
↓これが、ギター指板上での「Cメジャースケール」と「Aマイナースケール」ね。
【Cメジャースケール】
【Aマイナースケール】
まったく同じでしょ。
次回、第3話【ロックな従兄弟が現る!マイナーペンタトニックスケールの謎】へ、
つづく。
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