NO IMAGE

震災、被災時に思う【音楽】という癒し

 

東日本大震災から、だいぶ年月が経ちました。

私は宮城県白石市の出身で、現在も母親は住んでいます。

 

日本の何処かで、地震や大雨など数年に1度災害が起きます。

おそらく、日本に住むかぎりこれからも逃れることができない宿命でしょう。

 

話は少し変わりますが、

13年前ニューヨークで911テロが起きたときに、

私は現場にいました。

正確には、ニューヨークに住んでいてテロに巻き込まれました。

 

当時、乗っていた地下鉄が緊急停車し、地上へ走り、

叫び声が渦巻く中、ビルが崩れるのを後ろに見ながら逃げました。

 

その数年後に帰国したのですが、

今度は実の弟が行方不明になり、

霊安室で身元確認をした経験もあります。

 

大きな災害、悲しい出来事が起きると、誰だって心が沈みます。

本当に苦しくて、絶望的な気持ちにもなります。

 

そして、絶望的な気持ちになった後、どうすれば良いのか分からない人も多いと思います。

 

実際、911テロの後、ニューヨークではアルコール依存症の人がかなり増えました。

 

少しでも気持ちを落ち着かせる為に、どんどんアルコールの量が増えていくのです。

私も、アルコール依存症まではいかないにせよ、毎日飲んでいました。

 

こういう状態になると、「心のケア」が必要になります。

 

しかし、そう簡単に心の傷が癒えるはずはありません。

 

「心の傷」にどう対処するか?というのは、

その人の性格などによって千差万別で難しい問題だと思います。

 

なので、多くの人に有効かどうかは分かりませんが、

今回は私が経験した事と、知っている事を話します。

 

紀元前、古代ギリシャの時代から、

音楽は「音楽療法」として利用された側面があります。

 

「心の病を治せば、身体のバランスがとれて、心身共に元気になる」

という考えです。

 

現在でも、「自律神経失調症」と言われている、

いわゆる「うつ病」や「ストレスが原因の不調」を、

音楽によって心のバランスを正し、自然治癒力を高め治癒させる

という目的で音楽療法は使われています。

 

日本ではそこまで馴染みがないと思いますが、

アメリカやヨーロッパでは各病院に1人音楽療法士が常駐している地域もあります。

 

「音楽療法」と聞いても、

おそらくイメージが湧きにくいと思いますので簡単に説明すると、

「音楽療法」は、音楽だけを聴くというより、

音楽(演奏)に参加することを繰り返す間に心の病が回復に向かう、

というパターンが多いようです。

 

もちろん、好きな音楽だけを聴いて回復する場合もあるでしょう。

 

しかし、聴くだけよりも、何かしら参加する方が、

(楽器を演奏しなくて、手拍子で演奏の輪に加わるだけでも)

効果は大きいようです。

 

これは、自身の経験を考えてみても、思い当たる節は多々あります。

 

911テロの後、演奏を聴いた方々から久しぶりに笑顔が戻ったと感謝された事もあります。

演奏に手拍子で参加した方々がどんどん笑顔になっていく姿を何度も目撃しました。

何より自分自身が音楽に救われた経験があります。

 

もし、何かしらの原因で心に憂鬱な気持ちがあるようでしたら、

自分の好きな音楽を聴いたり、楽器を演奏したり、

なんでもいいので、試しにまた音楽に触れてみてください。

 

被災地にいると

「それどころじゃない!」

という状況は重々わかりますが、

それでもどうか、もう一度「自分の好きな音楽」を数分でいいので聴いてみてください。

 

世間一般的な言葉になりますが、

「音楽は心の辛い疼きを和らげる」

場合があります。

 

心に平和が訪れ余裕ができると、

人にもっと優しくすることもできます。

 

音楽で笑顔になり、

心が元気になったら、

それは波紋のように、

少しずつあなたの周りに

広がっていくでしょう。

 

「少しずつ、あなたの周りから」

というのが重要です。

 

最初は「小さな波紋」だと思います。

 

でも、少しずつ「あなたの波紋」は広がり

あなたの家族や友人が「あなたの波紋」を

もっと遠くへ広げてくれます。

 

あなたの波紋の輪がいくつも広がり、

日本中に笑顔が増えていくと、

私は信じています。

 

音楽と笑顔の溢れる日々を願って♪

 

 

広告