【BLACK SNAKE MOAN】
(ブラック・スネーク・モーン)
ブルースの奥深さが感じられる映画です。
あらすじ
アメリカ南部の片田舎。
過去にブルース・ミュージシャンとして活躍していた初老の農夫ラザラスは、
現在は敬虔なクリスチャンとして教会に通う毎日を送っていた。
だが、彼の妻はそんな彼に愛想を尽かし、彼の弟と関係を持って家から出ていってしまう。
それが原因で心に孤独を抱える彼は、ある朝、道端に血まみれで倒れている半裸の女性を発見する。
彼女は、幼少時に受けた虐待のトラウマから、現在はセックス依存症になってしまっていた。
ラザラスは彼女を自宅まで連れて帰り、手厚く介抱する。
そして彼女が心に深い闇を抱えていることを見抜くのだった。
そして、元ブルースマンの黒人が傷だらけで自暴自棄の白人娘を、
自宅の部屋にチェーンで縛り付けて監禁し、まともな人間になるようにと導く。
彼女はそんな彼を激しく罵倒するが、治療を続けていくうちに心に変化が生じていく・・・。
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感想
【ブルースは男女のもつれから生まれるんだ】
ブルースマン「サン・ハウス」のインタビュー映像も象徴的に使われる。
この映画は、ブルースの魂というか、奥深いところが描かれていて、すごく面白い。
ギターを始めてブルースを弾く時に、
【ブルースは、3つのコードで12小節進行】
と、教則本や講師から習う人は多いと思います。
間違いではないのですが、
これは「ブルースを音楽として分かりやすく体系化した形」というだけ。
昔からアメリカ南部のブルースマン達は、
12小節進行ではないブルースを歌ったり、
1コードしかないブルースを歌ったり、
歌詞も決まったものではなく、
日常の事を即興で歌ったり、
もっと自由にブルースを歌う人は多いのです。
この映画では、
嵐の中部屋でチェーンに繋がれた女性を前に、
封印していたギターを手にとって、
スライドでブルースを奏でるシーンがあります。
体系化された音楽としてのブルースではない、
魂の奥底に眠るものを蘇らせるブルースの力が感じられますよ。
それと、ジューク・ジョイント(南部の酒場)で、
ラザラスが語るようにブルースを歌い、
バンドがそのブルースに演奏を合わせ、
オーディエンスが踊るシーンがあります。
個人的には、こういうブルースが一番面白くて好きですね。
ブルースに限らず、音楽は一歩踏み込んで聴いたり演奏するともっと面白いですよ。
【BLACK SNAKE MOAN (ブラック・スネーク・モーン)】
出演:サミュエル・L・ジャクソン、クリスティーナ・リッチ、ジャスティン・ティンバーレイクなど。
予告編映像
ちなみに、
【Black Snake Moan】という古いブルースの曲もあります。
【Black Snake Moan】 by Blind Lemon Jefferson
『簡単ステップ式』だから、楽しく弾けます♪